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西野亮廣エンタメ研究所の過去記事を中心にアップしてます

2021年05月08日のエンタメ研究所の過去記事

5月8日(土) ※5月10日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
『おじゃ魔女ドレミ』の主題歌が脳内から消えず、望んでいないのに脳内ヘビロテしているキングコング西野です。
さて。
今日は『なぜ、一番後ろの席の値段が一番高いのか?』というテーマでお話ししたいと思います。
お気づきかも知れませんが、どういうわけか最近、スイッチが入ってしまっていて、今日のサロン記事もかなり黒い内容です。が、サービス提供者にとっては、とっても大切な話なので、耳を傾けていただけると幸いです。
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▼ その判断で誰が痛みを背負うことになるかを想像しろ
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先日、ミュージカル『えんとつ町のプペル』のプロデューサーの「セトちゃん」と、『Chimney Coffee』のリーダーの「べえ君」と、それぞれZoom呑み会をさせていただきました。
二人ともCHIMNEYTOWNの社員です。
ミュージカルチームの「小野さん」と、
コーヒーチームの「さやちゃん」にも参加していただいて、
そして、
お客さん(限定5名)にも参加していただきました。
会の趣旨は「スタッフの悩みを聞く」です。「そんな会に参加しようとする奇妙なお客さんは、他所行きの話(スマートな話)は望んでいない」と判断した西野は、そこでも、黒く染まります。
そこで彼ら(社員)に言ったのは、このサロンでも時々書かせていただいいていることなのですが、「活動を続けていきたいのであれば、富裕層から逃げるな」です。
どこの会社に、新入社員の首根っこを捕まえて「富裕層から逃げるな」という上司がいるのでしょうか。
とても恐ろしい会社です。
ただいま夏期学生インターン募集中です。
でも、これは僕の本音で、富裕層をターゲットから外してしまうと、サービスを回して行くには「スタッフの労働量」と「一般層&貧困層の支出」でカバーしなくちゃいけなくなるので、どこかに負担を強いる形にはなるんですね。
そんなことは皆、分かっているのに、富裕層を相手にすること避けるリーダーは少なくありません。
思い当たる理由は「……だって、さすがに、そんなに高いお金をもらえないもん」です。
手厳しいかもしれませんが、これは、「あいつ、あんなに高い値段をとりやがって」という外野の声を避ける為の【自己保身】や、「この値段だから、この程度のクオリティーでも仕方ないでしょ」という【言い訳】で、いずれにしても、“リーダーの身を守る為の打ち手”です。
それにより、従業員や、一般層や貧困層のお客さんが犠牲となっているので、「リーダーとして、そんなことはするな。お前が一番痛みを背負え」と社員には伝えました。
「ミュージカルに10万円を出してもらうにはどうすれば?」
「コーヒーショップに5万円を出してもらうにはどうすれば?」
ここを死ぬ気で考えるのが、リーダーの仕事だと思います。
ミュージカル『えんとつ町のプペル』のプロデューサーの「セトちゃん」に、「こんなやり方はあるかもね」という例を出したので、それを、ここでも共有させていただきます。
参考にしてみてください。
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▼ 富裕層は何を買っているか?
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かなりエグい話になりますが、これが真実です。
たとえば……
僕は毎年12月にホリエモンがやっている『クリスマスキャロル』というミュージカルを観に行っています。
ホリエモンから「来てよ」と直接営業が来るので。
もちろん、ホリエモンには今年一年、お世話になったので、チケットを買って参加するんですね。
ホリエモンのミュージカルはディナーショー形式なのですが、同じテーブルには、OWNDAYSの田中さんや、SHOWROOMの前田さんや、幻冬社の箕輪さんが座ったりします。
きっと、皆、ホリエモンからの直接営業を受けたのでしょう。
くれぐれもお伝えしておきますが、営業されたとは言え、僕らは、いやいや参加しているわけではありません。
ミュージカルは素晴らしいし、ホリエモンの応援ができるのならイイなぁと思って参加しています。
しかし、
その時、「どうせなら、箕輪さんがいる日に行きたい」「どうせなら、前田さんと同じ席がいい」という感じで、スケジュールと席を確保しています。
おそらく田中さんも、前田さんも、箕輪さんも、僕と同じような感じだと思います。
この時、僕らが何を買っているか?
内訳の多くは「ホリエモンのミュージカルに行った」ということと、「同じレベルで話ができる友達と会える」にお金を出しています。
特筆すべきは後者です。
僕らは「話ができる」を買っているので、V I Pだからといって最前列の席を用意されてしまうと、満足度が鬼下がりするんです。
最前列に座らされると、芝居の妨げになってしまう為、箕輪さんと喋れない。
分かります?
高い値段を払って前の方で見たい人(S席のお客様)は、「作品を買っている人」です。
それは「富裕層」じゃないんです。
「熱狂的なファン」です。
一方で…
何度も言いますが、ホリエモンのミュージカルは最高なのですが、
支払っている料金の内訳が「ホリエモンのミュージカルに行った」と「同じレベルで話ができる友達と会える」が多めの人は、最前列の席にしちゃダメなんです。
彼らを案内する場所は、むしろ、一番後ろ。
「お喋りをしても、芝居の妨げにならない場所」です。
スタジアムで「一番値段が高い席」って、どこかご存知ですか?
客席の一番後ろの、そこそこ見にくい【個室観覧席】です。
彼らが買っているのは、スタジアムを待ち合わせ場所(トークテーマ)にした友達・恋人との「コミュニケーション」です。
作品やスポーツを「社交場」として利用する人達が「富裕層」です。
「熱狂的なファン」と「富裕層」を見誤っちゃいけません。
目的が全然違うんです。
ミュージカル『えんとつ町のプペル』を上演する東京キネマ倶楽部は1階席、2階席、3階席があります。
3階席は主に出演者がウロウロする場所で、ステージの様子も、かなり上から見下ろすことになるので、「お客さん用の客席」はありません。
セトちゃんには、「3階席にV I P用の空間を作り込むとイイかもね」と伝えました。
限定数席で、シャンパンが出てくるような場所です。
3階はコレまで「デッドスペース」だったのですが、うまくやると、もっとも大きな売り上げを作る場所になるかもしれません。
それもこれも、富裕層の生態系を知っていなくちゃいけないし、大前提として「富裕層を相手にする」という姿勢がないと辿り着けません。
サービスを提供し続けていく上で、ものすご〜く大切なことなので、頭の片隅にでもおいておいてください。
連日、ドス黒い投稿ばかりしてすみません。
明日は、日曜日なので、肩の力を抜いて、何でもない日記を投稿します。
現場からは以上で〜す。
 
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