西野亮廣のエンタメsalon

西野亮廣エンタメ研究所の過去記事を中心にアップしてます

2021年06月24日のエンタメ研究所の過去記事

6月24日(木) ※6月26日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
全身全霊でファンタジーを作っているので芸名を『西野ファンタジー』に改名しようかと思ったのですが、『野田クリスタル』がチラついてしまうので却下したキングコング西野です。
さて。
今日は『国民行事を作る為のアレやコレ』というテーマでお話ししたいと思います。
ものすごーく地味な話ですが、一つずつ丁寧に共有していきたいと思っています。
情報と気持ちが離れちゃダメなんだよ!!
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▼ ママさんと二人三脚
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本題に入る前に、御報告です。
ママさん支援(雇用創出)の経過報告です。
昨日、僕がVoicy(→https://voicy.jp/channel/941/170003
)で喋った内容を、記事化して「ブログ」「Facebook」「note」にアップしてもらうお仕事を全国のママさんに外注する……というお話をさせていただきましたが、さっそく、昨日から実装しております。
誤解がないようにお伝えしておくと、「文字起こし」は僕がやっています。
西野の「話し言葉」を、「書き言葉」に変換するのは、“今は”西野以外は不可能なので、僕が5~6分ぐらいでパパパッと書いちゃいます。
それを、エニママさん(ママさん支援の会社さん)と組んでいるLINEグループに投げて、あとはお任せ。
読者さんの反応を見ながら、ママさんなりに「小見出し」なんかを付けたりして、“読みやすい記事”に仕上げてもらいます。
現在は「もうちょっと行間を空けた方がいいのかも~」「もっと可愛い小見出しにしない?」とペチャクチャお喋りしながらママさん達と一緒に正解を探っているところです。
日を追うごとに素敵になっていくと思うので、長い目で見守っていただけると嬉しいです。
そんなこんなで、本題です。
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▼ なんで、ニュースを出さなかったの?
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エンタメ情報感度の高い人ならば、すでにお聞き及びのことかもしれませんが、今年8月にカナダ・モントリオールで開催される『ファンタジア国際映画祭』の長編アニメーション部門に、『映画 えんとつ町のプペル』がノミネートされました。
「ん? なんか今回はニュースとか流れてなくね?」と思われている方もいらっしゃるかもしれないので、ご説明します。
海外の映画祭からお声がかかったのは、ロッテルダム、上海、アヌシーに続いて、今回で4件目です。
「このことをどう捉えるか?」というところなのですが、冷静に考えて、これだけ短い期間に集中しているのは、“たまたま”ではなさそうです。
『映画 えんとつ町のプペル』という作品が、本年度のアニメーション映画世界戦の「当落線上」にいる……と考える方が自然で、であるならば今後も他の国の映画祭からお声がけいただくこともありそう。
ニュースというのは、各メディアさんに向けて、大元(今回だと吉本興業)の方から「こんな感じになってますよー」という情報を出させていただいて、そこに興味を持っていただけたらニュースになるのですが、その際、『ニュースバリュー』というのが大切で、都度都度、情報を出していると、当然、ニュースバリューは落ちます。
それもあって、皆と話し合い、「今回は各メディアさんに情報を出すのは控えよう。次に出すときはグランプリを受賞した時だ」と結論しました。
くれぐれも「やる気がない」わけじゃございません(笑)
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▼ そんなこんなで、大勝負へ
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『映画 えんとつ町のプペル』のセカンドチャレンジは先日もお話ししたとおり「国民行事化(季節イベント化)」です。
今年のハロウィンシーズン(10月22日~10月31日)に再上映して、そこで結果を残し、「毎年ハロウィンシーズンに家族や友人と観に行くイベント」に持ち込めたら、ミッションクリアです。
それはつまり「観客動員数」と「興行収入」が止まらない仕組みの創造であり、僕らのこれまでのチャレンジの中で最も難易度の高いものであることは間違いありません。
ちなみに、調べてみると、お菓子メーカーが『バレンタインチョコ』と銘打って、「バレンタイン=チョコレートをプレゼントする日」という文化の創造を始めたのが1936年。
1958年に、メリーチョコレートが日本初めて「百貨店でバレンタインデーのキャンペーン」をおこなったのですが、この時の売り上げは、3日間で板チョコ5枚とカード5枚のみ。
その後もしつこくキャンペーンを続け、ようやく火が着いたのが1970年。
1980年になると「義理チョコ」という文化が生まれ、ここで、お菓子メーカーは「バレンタインデー」をモノにします。
「バレンタインチョコ」という文化を作るまでに実に30~40年近くかかってるんです。
しかしまぁ、文化(国民行事)となってからは強いのなんの。
コロナ(テレワーク)の打撃を受けるまで、バレンタインチョコ市場はずっと元気でした。
江崎グリコさんが1999年から『11月11日はポッキーの日』という国民行事の創造に力を入れていますが、間違いなく「バレンタインチョコ」を意識したものでしょう。
商品を買ってもらったり、サービスを利用してもらうには、なんといっても、お客さんに「そうだ○○をしよう」と“思いついてもらわないと始まらない”ので、その為には、国民行事の創造が最大のマーケティングなんです。
これから僕らが獲りにいこうとしているモノの大きさを、ここでなんとなく共有しておきます。
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▼ おかしな逆輸入
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『映画 えんとつ町のプペル』の上映終了から、今年のハロウィンの再上映までの間に、海外の映画祭からたくさんお声がかかったのは、今回のプロジェクトにとって追い風でしかありません。
皆さんもよ~く御存知だと思いますが、日本人ときたら「海外で評価された」にめっぽう弱い。
「海外」が一つのブランドになっていて、「海外で評価された」と聞くだけで、「どれどれ?」と耳を立ててしまうのが僕たち日本人です。
2020年12月25日から始まったファーストランでは、まだ「得体の知らない作品」という扱いでしたが、セカンドランでは「海外で評価された作品」という信用が付いてくるので、ファーストランでは足を運ばなかった人にも少しだけ興味を持ってもらえるでしょう。
それもあって、今回の再上映用に作るCMでは、「ハロウィンイベント」という部分と、「海外で評価された」という部分を前面に押し出す形になりそうです。
もはや、内容(ストーリー)には、あまり触れない(笑)
15秒や、30秒のCMだと「推しポイント」を絞らないと収まりません。
というわけで、僕の中では、今回の再上映に関しては「イベント>ストーリー」「海外で評価された>ストーリー」という計算式を出しました。
これが、吉と出るか凶と出るか。
一つ確かなことは、「今回失敗してしまうと、来年はない」ということです。
久しぶりに震えてきました。
国民行事の創造にお付き合いください。
死ぬ気でやったります。
現場からは以上でーす。
 
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