西野亮廣のエンタメsalon

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2022年02月20日のエンタメ研究所の過去記事

おはようございます。
日曜日の今日は、仕事のゴリゴリ話は少しお休みして、ちょっとした雑談をしたいと思います。たいした内容じゃないので、テキトーに聞き流してください。

 

人生ラクありゃ苦もあるさ

コロナが来て2年。
ほぼ全ての人が自分のペースを崩され、思うように生きられていないと思います。

移動は制限されるし、大学に行けないし、売上げは落ちるし、政府は今日も「う~、マンボー!」とハシャいでいます。

「努力したくても、努力させてもらえない」という惨状です。

そんな中、僕は、映画を公開して、海外にも仕掛けて、ミュージカルや歌舞伎もドカーンとやって、武道館ライブを2本。

「コロナなんて、どこ吹く風」とまではいきませんが、できるかぎりの対策をして、なんとか前に進んでいます。

一つに、「キチンと勉強して、選択肢を増やして、頑張れば、前に進めるんだ」ということを示すことで、希望を持ってもらいたい…というのがあります。

それもあって、「西野さんが頑張っているので、僕も大変だけど、もうちょっと頑張ってみます!」という声をたくさんいただきます。

僕自身、誰かの頑張りを見ることで、「やる気」を貰うことがあるので、この気持ちはよくよく分かります。

ただ、一方で…

「努力したくても、努力させてもらえない」という人からすると、自分以外の誰かが前に進んでいるところを見るのは、それなりの痛みを伴う行為なんだろうなぁとも思います。

前に進めていない自分が「みじめ」に思えてくるからです。

その気持ちもよく分かる。

その昔、梶原君が失踪してキングコングが活動休止に追い込まれた時の僕は、『若手芸人が活躍しているテレビ』を直視できなかったんですね。

自分自身は「いつでもやったるぞ!」と鼻息をフンフン鳴らしているのですが、だけど、活動することができない。

昨日までいた場所(テレビ画面の中)に戻ることができない。

まだ、22歳(精神的にも幼い頃)だったので、そのシチュエーションというのは、それなりに堪えました。

見るに見かねて、当時のマネージャーが深夜に映画館に連れてってくれたことを覚えています。レオナルド・ディカプリオ主演の『Catch me if you can』という作品でした。
(※このあたりの話は『新世界』という本の冒頭で詳しく書いています)

あの時の自分は、活躍している人(努力できる環境にある人)を見るのが痛くて痛くてたまりませんでした。

そして今、その状況にある人はいるわけで……

そんなこんなで、僕自身、コロナが来てから全然上手くいっていないこと(完全に調子を崩していること)を、ここで共有したいと思います。

「なんだ。いつも偉そうにしてるくせに、結局、西野も苦戦してんじゃん」と思っていただれば😁

コロナが来てから、『講演会』の仕事を全然入れていないんです。
時節柄、「集客」が絡んでくる仕事は、慎重にならざるをえません。

僕が責任を取れる(負担を背負える)のであれば構いませんが、講演会というのは基本、主催者さんがいて、主催者さんが責任をとることになります。
公演が延期&中止になった時の負担を背負うのは主催者さんです。

なので、あまり諸手を挙げて「講演会をやりましょー!」とは、なかなか言えないのですが……情けない話、劇場生まれ&劇場育ちの人間というのは、お客さんの前に立つことでしか、身体や気持ちのバランスを整えることができません。

舞台袖から出ていく時の「背筋が伸びる瞬間」が必要で、そして、お客さんのリアクションを浴びることで、アップデートしていきます。
これは、劇場芸人や役者やライブバンドは皆そうだと思います。

「オンラインで数万人が観てくれてます!売上げも凄いことになってます!」は、もちろん嬉しいのですが、板の上のプレイヤーの健康は、それ(数字)では保てないんです。

これ、キングコングの間でも捉え方は別々で、僕は梶原君とは違って、もともとメチャクチャ舞台(ライブ)をやっていた人間なんです。
毎週末、単独ライブ(独演会)をやっていた人間なんです。

規模は様々。
単独ライブのお客さんが10人チョットの日もありました。

それでも構いませんでした。
全力でやりました。
「たくさんの人に観られたい」が目的ならば、そもそも舞台なんて選んでないので。
#コスパの話じゃねぇんだよ

そんなことはどうだって良くて、目の前の人を笑わせること(※講演会の場合だと「学び」)が目的で、そこでのリアクションを浴びて、自分が面白くなることが最大の目的でした。

自分さえ圧倒的に面白くなってしまえば、“まわりの連中が慌てて稼ぎにいっている数字めいたもの”は、後からいくらでも回収できると思ったので。

その調子で20年間やってきたもんですから、コロナで、それが止められたのは、なかなか痛かったです。

それでも止まるわけにはいかないので、今日も一人でアトリエに籠っておりますが、コロナがきてからの2年間は、かなり誤魔化し誤魔化しやっているのが本当のところ。
#とほほ

世界に向けてエンタメを仕掛けながら、いつかコロナが明けたら、また、前みたいにウン十人~ウン百人のリアルなお客さんの前に出ていきたいなぁと思います。

それまでは、もう少しだけ我慢。
健康やメンタルに気をつけながら、我慢我慢。

人生ラクありゃ苦もありますが、お互い、しぶとく生きていきましょう。

それでは、素敵な日曜日を。

西野亮廣(キングコング)

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