西野亮廣のエンタメsalon

西野亮廣エンタメ研究所の過去記事を中心にアップしてます

2022年04月19日のエンタメ研究所の過去記事

おはようございます。
地元(川西)の子供をトゥクトゥクに乗せた時に、『蒸気船ウィリー』(※ディズニー映画の最初に流れるやつ)のミッキーの真似をして、口笛を吹きながらハンドルを握ったところ、小学2年生から「なるほど。機嫌が良いんですね」と冷静に言われたキングコング西野です。
#「ミッキーだー!」とか言え!
#子供の仕事をしろ

さて。
今日は『リノベーションの時代を生きる』というテーマでお話ししたいと思います。
僕が、現在進行形で勉強しているテーマでございます。

 

戦い方を変えなきゃダメだよね

皆さんも御存知だとは思いますが、僕は今、何を血迷ったか「町」を作っています。
メタバースうんぬんの話ではなく、リアルな町です。

実は、この町づくりに合わせて移り住んでいる人もチョコチョコいて、先日、CHIMNEYTOWNのインターン生を卒業したモリゴンなんかは、この町でパン屋さんを開くそうです。
もちろん可能な限り応援します。

ホリエモンが普段から「ググれカス」と言っているので、「町の作り方」でググったりもするのですが、実際に町を作った人があまりいないので、まったく検索にヒットしません。

ホリエモンのnote(酔っ払って記憶にない)→ https://note.com/takapon/n/n6bbe9874bfdd

仕方がないので、手探りで町づくりを進めているわけですが、実際にプロジェクトを始めてみて(現場に入ってみて)、明らかになったことがいくつかあります。

その中の一つに「現代に土地は余っていない」があります。
もう少し厳密に言うと「余る理由がある土地が余っているだけ」です。

昔の人達は自分達の理想郷を「通える距離」に作ることができましたが、2022年現在「通える距離」には、誰かの家や店がミッチリと建っています。

こうなってくると、僕らの理想郷作りは人里離れた山奥に追いやられるわけですが、さすが人里離れた山奥だけあって、そんな場所に理想郷を使ったところで次第に通わなくなります。
#検証済み

「ならばどうすれば?」と考えた西野は、まさかまさか「住宅街のド真ん中に作る!」と言い出しました。

一見、ヤケクソな打ち手にも見えますが、冒頭申し上げた通り、僕らの町づくりは今、バッキバキに進んでいます。

なぜ、そんなことが可能なのか?
理由は以下の二つです。

① 40~50年前にその町に移り住んだ人達が、ご高齢になり、お引っ越しのタイミング(別の場所に住む息子家族と暮らすタイミング)を迎えている。

② 自分達が理想とする町(えんとつ町)のデザインが、すでにそこに存在している日本家屋をリノベーションすれば再現できる。

…といったところ。

以前もお伝えしましたが、大阪駅(新大阪駅)や、大阪国際空港から20~30分の場所にある物件が今、ポコポコと空き始めているんです。
20年前だと、そんなことは無かったんです。

僕らは、そこを買って、リノベーション(煙突などを建てたり)しています。

今、作っている僕の家はゼロから作っていますが、皆の溜まり場になっている居酒屋『満天』や、スナック『CANDY』は既存の物件を本気でリノベーションしたものだったりします。

「あるものを使うこと」で、町づくりは加速しますし、「ゼロ」から作った人達(半世紀前の人達)にはできないアプローチができるのですが、これが面白いところで、多くの人は「ゼロ」から作りたがります。

「自分100%じゃないと気が済まない」という人は少なくありません。

僕の考えはそれとは全然違っていて、「面(土地)が取られきった時代に生まれたのだから、面が取られきった時代に生まれた人間の戦い方を選んだ方が良い」というもの。

すでにあるものを活かし、その中に自分の創造(ゼロからの作品)も混ぜ込む…というハイブリッド経営です。

大切なのは『リノベーションの時代に生まれた』ということを受け入れることかなぁと思っています。

 

パブリックドメイン

そんな中、僕が今、興味を持っているのは『パブリックドメインの映画』です。

日常生活ではあまり聞き慣れない言葉ですが、要するに、『著作権の保護期間が満了した(著作権が消失した)映画』です。

ほら、本屋さんやコンビニの隅で、昔の名作DVDが格安で売られたりしてるじゃないですか?
あれがまさに『パブリックドメインの映画』で、著作権が切れているから、あんな価格設定が可能なんですね。

裏面とかを、よくよく見ると「製造元」と「販売元」が違ったりします。

アメリカの著作権保護期間は「著作者の死後70年」となっていますが(※保護期間延長措置方が頻繁に施行されて、このあたりはコロコロ変わります!ミッキーマウスを守る為に、ディズニーさんが頑張ってます!)、映画の場合は“公開から”50年とか、70年だったりするので(※コロコロ変わるので詳しくは調べて!)、1970年以前の映画は『パブリックドメイン』になっていたりします。

つまり、もろもろを管理してくださる会社にお金を払って『ポパイ』を買って、DVDで販売することも可能なんです。
日本だと、もしかすると『蒸気船ウィリー』もパブリックドメインになってるかもしれません。
#知らんけど

現代においてDVDの価値は、ほぼ「インテリア」だと思うのですが(インテリアとして機能するDVDに価値があると思うのですが)、インテリアとして機能しまくる味わい深い作品(ベティーちゃんとか!)が今、続々と『パブリックドメイン』になっています。

著作権に関しては、大昔から「50年」とか「70年」で切れることで話は進んでいたので、『パブリックドメイン』自体は、べつだん目新しい話ではありませんが、これが10年前と何が違うかと言うと…「個人が販売力を持っている」というところです。

つまり、10年前までは「『パブリックドメインの映画』を獲得して、DVDで売る」というのは、大手の本屋さんや、コンビニのお仕事であって、個人の仕事ではなかった。が、今は、個人でそれが可能になっているどころか…大手の本屋さんや、コンビニよりも、たくさん届けることができる個人がポコポコといます。

僕は「名作のOEM(外注)」と呼んでいるのですが…個人や、あるいは企業が、「パブリックドメインの名作をゲットして、販売する」は、自分(自社)ブランディングとして全然アリだし、メチャクチャ今っぽいなぁと思っています。

大切なのは「キュレーション(作品を選ぶ)」センスで、「『蒸気船ウィリー』が人気っぽいし、それにしよう!」という感じで選んでしまうと、商売っ気の方が透けて見えて、ブランディングには繋がらないんだろうなぁと思います。

※CHIMNEYTOWNが『蒸気船ウィリー』のDVDを販売していたらチョット面白いかも…という気持ちは少しあります。

いずれにせよ、僕らが生きている時代は、10年前とは明らかに戦い方が変わってきていることを受け入れることが大切で、『あやかる』『リノベーション』『OEM』…このあたりが非常に重要なキーワードになってくると思います。

現場からは以上でーす。

【追伸】

https://salon.jp/nishino」を付けて今日の記事の感想を呟いていただけたら、西野がエゴサーチで見つけ出してニヤニヤします。
宜しくお願いいたします。

https://www.youtube.com/watch?v=g6sLOnRxLoU

 

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